T.K

圧縮空気のエネルギーを機械的な直線運動の仕事に変換するエアシリンダという機器の開発に携わっています。新製品開発だけにとどまらず、製品の維持管理、既存製品のアフターフォローも担っており、現在市場にあるものから、この先開発されるものまで、エアシリンダ全般に対応していくのがミッションです。

新製品開発では、製品の性能向上のための検証、小型軽量化に向けた構造設計などに携わり、製品の維持管理では部品点数を削減してコストダウンをはかるといった業務があります。時代のニーズに合わせ、長寿命で環境に優しい製品開発が求められる傾向にあり、それに対応する動きが加速しています。また、既存品についてはユーザーから不具合の原因調査や改善ニーズが随時出てくるため、その都度アフターフォローで要望にお応えしていきます。新製品開発とそれ以外の業務が約半々という割合になりますが、既存品への対応が多いのも、それだけ世の中で数多く使われている証拠ともいえます。

仕事のやりがいは、やはり結果を出したときに感じます。入社7年目から既存製品を改良した新製品開発に携わりましたが、性能向上にはかなり苦心し、試作やシミュレーションを繰り返しても、検証では結果が思うように出ないことが続きました。上司からアドバイスをもらって設計から見直し、さらに検証を繰り返すことで目指す性能向上を達成したときは、本当にうれしかったです。

新製品以外にも、アフターフォローでユーザーから期待通りのパフォーマンスが出ないという問い合わせでシリンダの調査を行い、原因を突き止めた案件も心に残っています。特注品だったこともあり、最初は原因が突き止めきれず、また要望も追加されたため、簡単には解決しない案件となりました。営業部や製造部、品質保証部など他部門とも連携を取りながら検証を進め、対応し続けた結果、最終的に納得していただく結果を出すことができました。粘り強く取り組んで良かった、とホッとして達成感が込み上げてきた瞬間でした。

SMCのいいところは、「NOと言わない顧客第一主義」を貫くところです。先に述べたシリンダのアフターフォローの件などは特に実感するところですが、コツコツと地道に調べ、検証し、他部署とも連携して結果を導き出しました。担当者として対応しながらも、「ここまで要望を追求するんだな」と社内の姿勢に感嘆しましたし、エンジニアとして突き詰めてとことんやってみる姿勢をこのときに学びました。会社全体がこの姿勢を貫くからこそ、顧客から評価を得ているのだと感じます。

SMCはBtoBゆえに一般の知名度が高いとはいえません。しかし世界トップシェアを誇るグローバル企業であり、優秀なエンジニアたちが切磋琢磨しています。この先、さらなる進化を目指し、優れた人材に集ってもらうためには、私たちの存在を世の中に広く伝えることが大事なのではないか、と感じることも多いです。私の話もきっかけのひとつになればいいなと思いますが、私自身もエンジニアとしてさらにレベルアップし、グローバルシェアアップに貢献できるような新製品開発を目標に研鑽を積みたいと思います。